Kaamos
(2011)
一年間の予定でフィンランド北部、北極圏に属する地域に滞在する事になった。
写真を撮りに来た、と現地で出会った老人に話すと、カーモスの時期はどうするのか、と聞かれた。
「カーモス」とは極夜の事で、太陽が全く昇らない時期を指すフィンランド語だと知った。
三脚を立てればいつでも撮れるさ、と軽く受け流したそのカーモスは、とてつもない存在として現れた。
朝起きたと思っても夕のようで正午わずかに薄明るくなったと思えばまた暗闇に戻る。
そのような世界に唯一人でいるという事は、何にも惑わされることなく、自分自身と向き合うという事だった。
個展、"Kaamos" 展示の模様
ギャラリー 工房 親 (東京、広尾)
2011.7.1 - 7.23